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オオニシ恭子の薬膳日記

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オオニシ恭子の艸ものがたり。マドモアゼルオニオン

マドモアゼル オニオン


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 マドモアゼル オニオンは、初対面の人が苦手で、うまくやって行くのがむずかしく、決して譲らない自己主張の末、刺激的な匂いを発散し、相手はたいてい目がいたくなって、[ああー、もう嫌!勘弁して!]とにげだしてしまうのでした。
 しかし、マドモアゼル オニオンとひとたび親しくなると彼女ほど優しく情のあつい人はいなく、彼女のよさが分かると彼女のそばにいたくなって、彼女の存在は不可欠と感じたのです。彼女の家にいくと、いつも美味しい温かなスープを作ってくれ、いつも違った味がしましたが、どれも体が気持ちよくなるので、女の人でも男の人でも彼女と一緒に暮らしたいと思わずにいられません。
 マドモアゼル パンプキンやマドモアゼル サラダはいつも彼女のそばからはなれませんでしたし、お互いいいハーモニーをたもてました。ムッシュー マトンやムッシュ ゴートは彼女には自分が一番似合うと自信たっぷりで熱烈に求婚していました。


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 たしかに、マドモアゼル オニオンは他とちがっていました。マドモアゼル
ピーチは一見、甘くセクシーですが、二目,三目で、あきちゃってべとべとが残るから手を切りたくなっちゃうし、マドモアゼル ローズはみるだけならよいのですが、ちょっと近づくと痛い目にあって、さらにつきあっていると、なんの実りもないうちに汚らしく老化して、それでもなお「わたし、きれいでしょ」と言わんばかりなのが嫌で、逃げ出したくなります。マドモアゼル デイジーは可愛らしく無邪気のようですが案外すみにおけないちゃっかりやなのだと聞き、あまり長くつきあうと疲れちゃうそうです。
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 結局、マドモアゼル オニオンのハートを掴んだのは,ムッシュ オニオンでした。ムッシュー オニオンも取っ付きが悪い人でした、始めはマドもアゼルオニオンとうまくいかなかったようでしたが、つきあっているうちにお互いのよさが似ていることが分かって、信頼し合う様になりました。なんと言っても説明なしでも分かり合えることがよかったみたいでした。二人ともとてもやさしく、自己主張がなく周囲にとけ込み、周囲を引き立てるひとたちで、ムッシューとマダム オニオンの家には暖かさがあると、みんなが集ってきました。
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# by kyoko-yakuzen | 2015-01-19 18:18

オオニシ恭子の艸ものがたり。ローズとマリー



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ローズとマリー


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村のはずれに住むローズとマリは双子の姉妹でした。二人はいつも一緒で子供の頃からいつもお揃いの緑色のワンピースを来てつばが3つに分かれた薄紫色の帽子を被っていたと村で一番年をとっていたおじいさんから聞いたことがありました。おじいさんがローズとマリーを見たときは、姉妹は十五~六歳だったといいます。それは二人が大人になってからも変わらず、いつも静かな優しい顔をして、二人は寄り添うように一つの篭を片方づつの手に一緒に持って歩いているのをよくみかけました。村人達はあの双子の姉妹が何時、何処から来たのかもよく知りませんでしたが、近寄りがたい気品があったのです。不思議な姉妹だと思っていたのですが、村の人たちはとくに害のない双子をそっとして、あまり近しくはしていませんでした。

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  ある時、村ではやりの病で死人がでることもありましたが、彼女達はいつもと変わらず病気になった様子もなく、篭にいっぱい香り高いお菓子のような物を入れて村人に配って歩きました。それを食べた人たちは間もなく元気になったので村人達はローズとマリーをいつしか敬う様になっていました。

 私が都会生活に終止符をうって、村に帰ってきた時、村はお葬式でした。弔問にいくと、それはローズとマリーが二人一つになったように、お棺の中で閑かに眠っていました。誰も二人の年をしらなかったのですが、もう百五十年くらい前から村にいたそうです。
それでも二人はそんなに年をとっているようには見えず、私が村を出た30年前と同じように緑色のお揃いのワンピースと3つのつばのついた薄紫色の帽子をかぶり、うっすらと笑みを浮かべ頬を寄せてよりそっていました。二人の手はしっかりとむすばれていて、二人で同じ夢をみて楽しんでいるようでした。

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 二人の住んでいた村はずれの家の庭では村ではやり病があった時、姉妹が配ってくれたお菓子を思い出させる香りただようローズマリーが、ちいさな薄紫の花を咲かせていました。よく見るとそれは一つの茎から双子のように咲いているのでした。


# by kyoko-yakuzen | 2015-01-19 17:37

オオニシ恭子の艸ものがたり・セブン ボーイズ




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セブンボーイズ

 僕たちのママはとても綺麗だった。紫色の髪の毛にいつも薄紫色の花びらのような帽子をかぶって風にひらひらゆれて、ママの顔は白く艶やか、いつも微笑んでいるような口元はやさしさにあふれていた。
僕たちは七人の兄弟で、クッシォンのきいた柔らかなベットにならんでいた。そして太陽が暖かくとてもここちよかった。僕はいちばんチビで端に寝ていた。





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 ところが、あの日、そうなんだ、あの日、狂ったような風が吹き荒れて、ママのぼうしが飛んだんだ。僕たちも何が何だか分からないほど揺れて、「ママ!」と叫んだ時、ママの「大丈夫よ、しっかり生きていくのよ」という声が遠くなっていったと思ったら、風に飛ばされ、そのあとドスーンという感じがして、
ゆらゆら揺れたり揉まれたりしたんだ。


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 どうやら、僕たち豆っこボーイズは雨風にほんろうされて川を流れていたんだ。どこへ行くのか不安だったけれども、僕たちのさやベットはボートになってどんぶら、どんぶら流れていた。「もう運を天にまかせているしかない」とお兄ちゃんが言ったとき、ドーンという音がして僕たちのボートは宙返りした。
そしてまたドーンと音がして、ボートが壊れ、僕たちはさやボートからほうりだされたんだ。いちばん大きいお兄ちゃんが「みんな、しっかりしろ、僕たちはここで生きるんだ、しっかり地面にくっついていればいいんだ」と叫んだ。ぼくは疲れてねむってしまった。

 ぽかぽか暖かい日差しを感じて目がさめると、お兄ちゃんたちがあちらこちらにいたので安心したけれど、からだが少しむずむずして、逆さになっていて、「ママはどうなったかな、」とおもって泣いてしまった。するといちばん大きなお兄ちゃんが、「チビ、泣くな、俺たちはここで生きるんだ、しっかり、地面に根を生やし太陽の方に顔をあげるんだ」と言った。
 お兄ちゃんたちはどんどん大きくなって双葉からさらに大きな葉に変身して行き二番目のお兄ちゃんも双葉を生やしたり、毎日お兄ちゃんたちが変わっていくのがわかった。ぼくはやっと地面に根をつけることができたが、まだ兄ちゃんたちのようにはいかない。壊れたぼくたちのボートがひからびてぼくのそばにある。もう、もどるところもなく、ママにも会えない。


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# by kyoko-yakuzen | 2015-01-19 16:49

薬膳日々

昨日は家で上級のクラスですた。課目は『呼吸器系』でした。以前のテキストにくわえさらに現実的に役にたつと思われることを追加したテキストを作成し直しています。呼吸器は食べたものをエネルギーに変える為に酸素を取り込みガスを排出させる器官ですが、昆虫、魚類、両生類、は虫類、ほ乳類の仕組みがそれぞれことなり,それはそれぞれの意志でなってきたのかと思えるのがおもしろい。美山の大工さんが、いわゆるダーウインの進化論のようにじょじょになったのではなく、ある日突然、『あー首が長かったら、あれが難なくとれるのに、と思った瞬間、首が伸びたのがキリンだ」と言ったのがおもしろい。

植物もまた二酸化炭素を気孔から取り入れ、水を葉脈から取り入れて呼吸し、成長し、果実、種を作っている。
生きる営みは植物も動物も栄養摂取と呼吸から成り立っているのだと改めておもうのです。

# by kyoko-yakuzen | 2015-01-09 01:41

薬膳日々

昨日は家で上級のクラスでした。課目は『呼吸器系』でした。以前のテキストにくわえさらに現実的に役にたつと思われることを追加したテキストを作成し直しています。呼吸器は食べたものをエネルギーに変える為に酸素を取り込みガスを排出させる器官ですが、昆虫、魚類、両生類、は虫類、ほ乳類の仕組みがそれぞれことなり,それはそれぞれの意志でなってきたのかと思えるのがおもしろい。美山の大工さんが、いわゆるダーウインの進化論のようにじょじょになったのではなく、ある日突然、『あー首が長かったら、あれが難なくとれるのに、と思った瞬間、首が伸びたのがキリンだ」と言ったのがおもしろい。

植物もまた二酸化炭素を気孔から取り入れ、水を葉脈から取り入れて呼吸し、成長し、果実、種を作っている。
生きる営みは植物も動物も栄養摂取と呼吸から成り立っているのだと改めておもうのです。

# by kyoko-yakuzen | 2015-01-09 01:41