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オオニシ恭子の薬膳日記

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薬膳日々

海苔にはビタミンB12が含まれていてそれが日本人の動物性を摂らない菜食者を守ってきたと思っていたが、海苔のビタミンB12は非活性型で消化するどころか逆にビタミンB12を破壊するという人がいると聞き,日本の海藻の研究では一番といわれるO先生に問いましたところ、海藻の栄養に関してはこの先生にとA先生をご紹介されました。早速問い合わせましたらとても丁寧に説明してくださったメールをいただきましたのでお知らせいたします。先生は海藻の生体におよぼす大事な研究をしていらっしゃる方だと分かりました。結論をいえば、海苔に含まれるビタミンB12は供給源として有効であり、いろいろ言われているもっともらしい素人の諸説を気にしなくてよいというお言葉を頂きました。海苔のビタミンB12はそのままでは有効でなくても体内に入ると変換し有効になるということでしたが、ここのところが他の食べ物に関しても大事ではないかと思いました。成分だけを見てどうのこうのと言われている事が多くありますが、体内に入ってどうなるのかです。ひじきもしかりです。ヒ素が入っているということで輸入禁止になったり恐れられたりしましたが,ひじきの持つヒ素は体にとって毒ではないヒ素とO先生から教わりました。そうですよね。それでなければひじきを食べた日本人が中毒症状を起こしているはずですがそんな話は聞いた事がありません。
パリである人がノルマンデイの海藻を3種類もってきてくれました。その一つはオランダでzee slaというものでアオサのような緑色の海藻です。これがこのあいだブルターニュで大事件となった猛毒を発生し,人や馬が死んだもとですよ。という。それ自体は青のりのように大変有効な海藻で干して粉にしていろいろ混ぜて使えばよいのですが、誰も採る人がいないので増えすぎて腐って猛毒ガスを発生させたわけです。やはり急いで海藻の良さを普及する必要を感じました。ところが彼女がいわく、日本人は長く海藻を食してきたからその分解酵素を持っているかもしれないけれど欧州人は酵素を持っていないのではないかといいます。そういう事もあるかもしれないと思いましたが、いずれにしても海藻の消化されない繊維質フコイダン、アルギン酸、コンドロイチン硫酸などのぬめり成分が体の中の有害物質をとりこんで排泄してくれるという事の点をとっても海藻の摂取に意味があり、海の野菜は今まで日本以外では等閑にされてきたと思います。
                                  2010年5月15日
by kyoko-yakuzen | 2010-05-15 10:34