人気ブログランキング | 話題のタグを見る

オオニシ恭子の薬膳日記

koyakuzen.exblog.jp
ブログトップ

薬膳日々

被害の甚大だった双葉のひとびとが避難生活を送る南台仮設住宅第三会場で9時から11時30分までの講演会。朝5時に起きて昆布大豆入りの玄米おにぎりをつくってでかける。
助川さん、平田さん、浜島先生、新妻氏が同行してくれる。とても心強い.
仮設住宅に暮らす方の心境を考えると何を私が言えるのかと話す内容に関してあれこれ考えるけれどどうしてもまとまらない。新妻氏には皆さんに希望を与えてほしい、といわれている。
もう二度と双葉には帰れない人々なのだそうだ。そして、原発事故がおきる前から甲状腺ガンが多くなっていたそうなのだ。会場に行くと到底個人の生活が尊重されているとは思えないような仮設住宅の棟がならんでいたが、出会う人々にそれほどくらさや重たい空気は感じられなかった。
皆さんとても意識のしっかりした清々しいプライドを持っている方達でした。先ず、皆さんの今後の成り行きを世界の人々が見守り、私の周囲の人々がいかに福島の人々のために行動しているか、私がここに来ていることの陰に多くの人の支援がある事などを話した。そして私は自分の生きてきた背景と欧州に渡ってからの事故や火事にであって辛苦をなめて来たこと、それでも生きてきている限りはやれる事をやろうと思っている事など話し、生きるからにはなるべく健康被害を避けるべき方法を知っていた方がよい事,を話す。
後で、カメラで講演の一部始終を収録していた新妻氏が、世界が福島を見ていると私が言った時
みんなの顔が変わった、と言って、アレはよかった!といいました。孤立しがちが仮設の生活者に私は、山梨の須玉での生活の可能性がある事、自衛のため自分でしなければならないことがあり、他の人々とも連携しなければならない事もあることを強調するのを忘れなかった。
しかし、皆さん他県に出る事はかんがえられていない様子であったし、ここではみんなと仲良くしている事が一番だ、とおっしゃっていられた。
双葉から来ていわきにお世話になっているけれど、他県から買うよりお世話になっているいわきの物を買う方がよいでしょうか,どうでしょうか、という質問がありました。
わたしは、[義理人情で買う事はない、その点はシビアに線量のたいものはいわきのものでも福島のものでも買うのはひかえなければ、先ず自分にとってどうかを考えるべきだ、という。お年寄りだからといっても、放射能は子供ばかりではなく、誰にとってもよくないはずだ、その人の悪い所に悪影響があるのではないかとおもうので、とも言った。

講演がおわり、助川さんの本家のお庭をみせてもらう。広い敷地にふんだんの花、石が心をなごませ、5年前に改築した木の香のする家は心地よく、震災にもダメージをうけていない。本家の奥様の手作りの柏餅と牛蒡のお茶をいただきました。お茶を飲みながらのおしゃべりは明るさの中にも生活者の忌憚のない政治への不信感や土地の生活の智慧にあふれていて、聞いていて飽きなかった。

2012年5月17日
by kyoko-yakuzen | 2012-05-17 20:08